第15話 − 「50%増量中」
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
「ねえ、マスター。知ってましたか?」
「・・・何が?」
「冬のこの時期って、虫の活動が一番鈍るんですよ?」
「・・・ふ〜ん。」
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
「活動が鈍る、と言うことは繁殖活動も鈍るわけで。」
「・・・それで?」
「それはつまり、駆除がもっともし易い時期って事なんですよ!」
「なるほど・・・でもそれって」
スゥ


ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ

「お前が引っ張り出してきたその
 でっかいチェーンソー
とは何の関係もないよね?」
「・・・・・・使っちゃダメですか?せっかく作りましたのに。」
「ダメに決まってるでしょ。なんでゴキブリ駆除ごときにこんな物が必要なのよっ?!」
「だってぇ〜、あいつらすぐ冷蔵庫の裏とか物陰に隠れちゃうんですものぉ〜。」
「だから邪魔物片っ端からぶった切って追っかける・・・ってか?」
「大きな目的を達するためには、少々の犠牲には目をつぶらなきゃダメなんです!」
「・・・建物一戸失うのは大きな犠牲と呼べないのか?」
「そんな・・・・・・分かりました。」
「あ、ああ。分かればいいんだよ・・・?
 今回はやけに素直だな?っておい!
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
「・・・今度は何ですか?」
「何ですか、じゃねえわ!何よ、その手にしたデカ物は?!」
「これですか?・・・・・・殺虫剤です。」
「うそつけぇ!んな凶悪な形したやつがあるかぁ〜!!」
「こっこれは!噴霧器なんですよ!」
「ほほぉ〜?高々4畳半如きにそんなサイズの物使う、とでも?」
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
「でっでも確実に標的を消滅してくれますよ?!」
「・・・標的以外はどうなる?」
「え、えとぉ・・・大丈夫です!家2,3件ぶち抜く程度に威力は弱めて」
「不許可じゃあ!」
「そんなぁ〜!」
「ロボットのくせにベソかくな!」
「だってだって・・・」




「ああ、ぱふぇちゃん・・・スゥちゃんにあんなに怒られちゃって・・・
 ・・・はっ!いけないわ。心霊研究クラブ所属のワタクシとしたことが。
 ロボットになんか同情しちゃうなんて、そんな・・・でも・・・でも・・・
 この胸の高鳴りは・・・これは・・・」

スゥ


スゥ
ぱふぇ
スゥ
「ああっ!これってもしかして、恋?!いやぁ〜ん♪」
「お取り込み中悪いけど、いきなり妄想で気色悪いこと喚かないでよ?
 しかもこんな所にわざわざ仕切りまで立てちゃってさ・・・」
「いけないわっ!妹似の子と禁断の愛に目覚めるなんて!!」
「おーい?もしもーし。聞いてるー?!姉貴〜?」
「・・・じゃあ、いまのうちに駆除を」
「姉貴ー、帰ってこーい。ってぱふぇ!お前は何もするな!おい、コラ?!」




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