第14話 − 「姉の思惑」
スゥ
たまえ
ココロ
ぱふぇ

よしこ
さだこ
「カニだね。」
「蟹!」
「カニだ。」
「カニですよ?!」
「蟹ですわ。」
「でかいね。」
「呪〜。」
スゥ

ココロ
スゥ

たまえ
ぱふぇ
たまえ
「姉貴。これは一体・・・。」
「ママからの差し入れですわ。」
「すげー・・・」
「それって・・・なんか裏無いか?!」
「そんな!裏だなんて!!」
「スゥちゃん、疑り深いねえ。」
「裏も蟹の絵がありますが?」
「いや・・・そーゆーことじゃなくて・・・」

ココロ
よしこ
スゥ

スゥ
「スゥちゃんがワタクシの事を疑がうなんて・・・とても悲しいわ。しくしく。」
「スゥちゃんひどいねぇ。」
「やっぱぺちゃぱいだし。」
「いや・・・あの・・・て、ぺちゃぱいは今関係あるのか?!」
「ただこれを餌に家に連れ帰ろうとしてるだけなのに!ああ、それなのに!」
「裏ありまくりじゃねえかよ!!」
スゥ
ココロ
ぱふぇ


全員

ココロ
スゥ
ぱふぇ
スゥ

「ともかく、眺めててもしょうがないから。」
「食べよ。」
「わーい♪」
「食べたら皆さんも共犯ですからね?!
 死んでもスゥちゃん逃がしちゃ駄目ですよ?!」
『・・・・・・・・・』
「冗談ですわよ?」
「たまーに冗談に聞こえんことあるよね。萌姉のセリフって。」
「・・・そういやぱふぇ、『わーい』って、お前も食うの?」
「いけませんか?」
「いやあ・・・いけないって事はないけどな。」
「?」



スゥ

スゥ

スゥ

たまえ

スゥ

スゥ
「で?あの子は蓋なんか持って行って何するんですの?!」
「食べるんだって・・・。」
「え?蟹じゃなく?!」
「サクサクして美味いんだってさ。発泡スチロール。」
「そ、そうなんですか?!」
「姉貴は食べないでよ。無理だから。」
「じゃ、じゃあ、あの子は・・・」
「まあ、ロボットだしね。」
「ええ?双子の姉妹じゃなかったの?」
「違うわよ・・・。」
「なんだ〜。せっかくお揃いのコスチューム着せようと思ってましたのに。」
「・・・・・・。」


スゥ

さだこ

スゥ
ココロ
スゥ

ココロ
「あちらはあちらで『外箱が欲しい』だなんて。
 ・・・何していらっしゃるんでしょうか?」
「生前ずっと狭いとこに居たから、なんか落ち着くんだってさ。
 よく知らないけど。」
「呪っま〜す♪」
「え?生前?!なんなんですの?あの子。」
「さあ。なんかあたし呪うのにビデオから出てきたとかで」
「そっそれって怨霊・・・?!」
「うん、多分。・・・『さだこ』って名前らしいけど。」
「!!」
「お・・・お・・・おば・・・」

さだこ

さだこ

ココロ
スゥ
ココロ

さだこ

「あっあの!貴女はあの有名な・・・貞子様でいらっしゃいますでしょうか?!」
「・・・ん?」
「のっ呪いのビデオの?!」
「そーだよ?」
「お、お初にお目に掛かります!萌と申しままま」
「おおおおお落ちちち着けけけ、もも萌姉。」
「ココロ姉ちゃんも落ち着いてね。」
「んなこと言ったって、私がお化け嫌いなの知ってるだろ?!」
「あっかっ蟹はいかがですか?!」
「いらなーい。」
「え?!えっと・・・じゃあ・・・」
さだこ

ココロ

ココロ

ココロ

ココロ

スゥ
「んーとねー。ころっけ、たべたいの。」
「コロッケ・・・」
「・・・な、なに?萌姉・・・その目は。」
「ココロちゃん・・・あなたのお家、揚げ物屋でしたね?」
「そ、そうだけど・・・」
「コロッケ、ありますね?」
「そりゃあ・・・って萌姉、昔っから買い食いしてたじゃん、親に内緒で。」
「んっふっふっふ・・・」
「あ・・・なんか良からぬ事を考えてる目だ。」
「家ごと!家ごと買い取ります!」
「待てぇ、姉貴!ひとまず落ち着け!な?!」




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