第30話 − 「疑心暗鬼」


< 朝 >


スゥ


「ふぅ、やっとここまで直ったよ。
 後は出力の微調整とプログラムのチェックだけだが・・・
 おーい、ぱふぇ〜・・・おーい?」
スゥ

ぱふぇ
スゥ

「て、んな所で寝てるし!こいつ、ホントにロボットだよなあ?
 ったく。ぱふぇっ!こら、起きろ!!」
「ん〜むにゃむにゃ・・・・・・・・・はい?!呼びました?マスター?!」
「呼びました、じゃないよまったく・・・
 ほら、手足は繋いでおいたから、後の調整は任せたよ。」
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
「ええ〜?私がやるんですかぁ?」
「しょうがないだろ。あたしもう、かれこれ三日徹夜してんだからさあ。」
「マスター・・・土日はともかく今日月曜」
「もう頭回らないから後よろしく。」
「学校は」
「休む!つーかお前、なんでいちいち寝る必要があるんだ?」
「お疲れ様です。寝てください。」
「・・・。」


< 同日の夕方 >


スゥ
よしこ
たまえ
スゥ
「あ〜寝た。完璧爆睡してたわ・・・あれ?」
「あはは、あははははははは。」
「うっひゃー、これはこれは・・・」
「なんだ?よしこ達来てるのか?」
よしこ
たまえ
スゥ
「あ〜っはっはっはっはっはっは!」
「ほんとでっかいねー、よしこちゃん。」
「・・・」
スゥ
よしこ
スゥ
よしこ
スゥ
よしこ
「まだ寝ぼけてるみたいね。もう一眠りしよっと。」
「ちょっと待ってスゥちゃん!」
「いくらなんでも、いきなりでっかい怪獣はないよなぁ。」
「スゥちゃん!起きてよ?!」
「・・・これ、現実?」
「僕の方が聞きたいよ!」
スゥ
たまえ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
よしこ
スゥ
たまえ
スゥ
「あ〜も〜!ぱふぇはどうした、ぱふぇは?!」
「あそこで現実逃避してる。」
「はぁ?!」
「ナニモミエナイ ナニモキコエナイ・・・」
「いったい・・・何やらかしたんだ?」
「それがねぇ、話すと長く」
「手短に。」
「ぱふぇちゃんがこれ出したら逃げちゃった。」
「・・・あたしが悪かったから、ちゃんと説明して。」


< さらに1時間後 >


よしこ
スゥ
たまえ

スゥ

よしこ
スゥ
よしこ
スゥ
「戻ってきて良かったぁ。」
「びっくりしたわよ。あたしはてっきりまた、ぱふぇがなんかやらかしたものと。」
「ぱふぇちゃん、こいつ起動するなりいきなり抱きつかれちゃってさ。
 そしたらいきなりパニクって・・・」
「だからってあんなデカブツ出して威嚇せんでも。
 ・・・そもそも勝手に起動実験やらないでよ、頼むから。」
「ま、何でも良いさ!とにかくこれで元通りなんだから。」
「プログラムも直したし、これで大丈夫なはずだよ。」
「わ〜い♪わ〜い♪」
「だからさ、ぱふぇ〜・・・頼むからそれ、しまおうね?」
ぱふぇ
たまえ
スゥ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
さだこ
「・・・。」
「完全に疑心暗鬼だね。」
「大丈夫だって。今度はちゃんと直したからさ。」
「・・・・・・。」
「ほら、大丈夫だから。変なことしないって・・・」
「こ、こっち来ないでくださいよぅ!」
「わ〜、おっきなかいじゅう〜♪」






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