第29話 − 「恋?」
よしこ

スゥ

スゥ

スゥ
よしこ
「ほ、ほんとに僕、この試作機のモニターに選ばれたの?」
「ええ。うちのスゥが壊したアイボの弁償も兼ねまして。」
「あたしが壊したんじゃないってば。」
「試作機故の不具合が出ると思うので、逐一報告入れてくださいね?」
「うん♪」
「ではスゥちゃん。後の調整はよろしくね。」
「はいはい・・・。」
「楽しみだな〜♪」

数日後。

よしこ
スゥ
たまえ
スゥ

たまえ
スゥ
よしこ
スゥ
「ちわ〜。調整完了したんだって?」
「来るの早いよ。『後は最終調整やって終わり』って言ったのに。」
「ぱふぇちゃんを基にした、次世代低価格DOLLなんだって?」
「完成すればね。ま、あくまで制御データ使ったってだけで、
 性能は家庭向けに抑えられてるけど。」
「・・・ぱふぇちゃんて、家庭用じゃないの?」
「『家庭用』と呼ぶには桁違いなんだよ、あの出力は。」
「なんでもいいから早く見せて〜♪」
「ん。」
よしこ
スゥ
たまえ
スゥ
たまえ
スゥ
たまえ
スゥ
よしこ
「おお〜・・・。ねえ、頭しかデザイン変えられないの?」
「これだって頑張ったんだよ。ろくな機能付いていないんだから。」
「ロボットなのにいちいちメガネ掛けてるんだね。」
「それフィルター。安いカメラ使ったもんだから、別に必要になっちゃってね。」
「いろいろ削ったんだね。」
「しょうがないよ。実質ぱふぇの20分の1以下のコストでやるってんだから。」
「もしかして・・・削った機能の影響をテストするのに、よしこちゃんが選ばれた?」
「・・・多分。」
「マジ?」
よしこ
スゥ

たまえ
よしこ
たまえ
スゥ
「もう連れてってOK?」
「まあ待て。さっき調整終わってようやく起動したばかりなんだ。
 念のためもうしばらく動かしてみないとね。」
「で、名前は決めたの?」
「そうだねえ、『くれーぷ』にでもしておこう。今食べたいから。」
「・・・いいの?そんな付け方で。」
「あれ?どこ行く気だ、あいつ。」
くれーぷ
ぱふぇ
スゥ
よしこ
スゥ
くれーぷ
たまえ
ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
「オオ オウツクシイ」
「・・・はい?」
「ありゃ?あいつひょっとして・・・男?」
「えっ?ロボットなのに性別あるの?!」
「そりゃぱふぇが女性型なんだから、当然男が居たっておかしくは・・・。」
「ボクト ドライブデモ ゴイッショニ」
「・・・なんか口説き始めちゃったよ?」
「マスタぁ〜・・・」
「おー、困ってる困ってる。」
「えぇと、あの・・・」
ぱふぇ
くれーぷ
スゥ
よしこ
スゥ
ぱふぇ
くれーぷ



「ちょっとぉ、放してくださいよ〜!」
「オネガイシマスー」
「こうなるとほとんど変質者だな・・・どうするよ、ねえ。」
「直してよ。」
「だよなあ・・・しょうがない。ぱふぇ、壊さないように引き離せよ?」
「ぃやぁん、どこにしがみついてるんですかぁ?!」
「オジョォサーン」

ぷちっ

しょこら
よしこ
スゥ



よしこ
しょこら
たまえ
スゥ
よしこ
放せってんだろてめぇ!終いにゃ殴るぞ!
「あ。」
「ちょ、待てぱふぇ」

 さくさくさくさくさくさくさくさく・・・

「お゛お゛お゛お゛?!」
こぉの、ド変態野郎がっ!!
「・・・ま〜、盛大にぶった切ったねぇ。」
「ごめん、よしこ・・・すぐ直すからあと5日ほど待って。」
「ば、バラバラ・・・全部バラバラ・・・」






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