第26話 − 「へんしん」






一見、普通に見える彼女たち。
実は彼女たちには、みんなに言えない秘密があるのだ。

普段おとなしく、慎ましく生活を送る彼女たちが
思春期特有の、はけ口のない怒り、悲しみ、焦り、不安・・・
まるでそれらから逃げるように。






日々の生活に疲れ切り、その疲労がピークに達した時!
 変身する!

髪や目の色が変わり、性格も激変。
普段の彼女たちからは考えられないようなパワー、スピード、そして思考能力。
格段に上がった身体能力を駆使し、様々な困難に立ち向かうのだ!
よしこ
スゥ
たまえ
「授業中寝てたから、クラスのみんなのノート、急いで写させてもらお〜っと。」
「これなら!きっとあたし一人でカレーが作れるはず!」
「・・・とりあえず先生に見つからないように早弁出来るな。」



よしこ
スゥ
よしこ
スゥ
よしこ
スゥ
たまえ
「・・・って言う夢見たんだ。前の授業中。」
「授業中に正々堂々寝てて、見た夢がそんなのかい?!」
「変身できないかな〜?僕たち。」
「あんた、マジでマンガとかテレビとか見過ぎだって!」
「無理かな〜?」
「無理!つーかなんで変身してまであたしはカレー作らにゃ・・・」
(ほあああ・・・)
よしこ
スゥ
たまえ
よしこ
スゥ
たまえ
「?!」
「い、今何か・・・」
「あ。あんなところにふきのとうが。」
「ねっねえ、たまえちゃ〜ん。」
「今なんかしなかったか?」
「あれ、天ぷらにするとおいしいんだよね。」

一方その頃、ぱふぇは・・・

ぱふぇ
ほいほい
ぱふぇ
こんばっと
ぱふぇ
「あ、あの・・・私はゴキブリじゃ・・・」
『蜘蛛』
「え・・・いや・・・蜘蛛でもなくて。」
『虫』
「・・・虫じゃないですよぉ。」






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