第3話 − 「ぱふぇ」
よしこ「・・・居ないね〜。ぱふぇちゃん。」
スゥ「どこ行ったんだろ?・・・って、何?その『ぱふぇちゃん』って。」
よしこ「あのろぼっと。パフェ作るの上手いからぱふぇちゃん。」
スゥ「・・・・・・名付けの手間省けた・・・か?」
たまえ「いいの?それで。」
スゥ「嫌だって言ったって、どうせこいつは勝手に呼ぶでしょ?」
たまえ「まあね・・・で、あの子、動力源が普通の食べ物ってことはその辺襲って食べてるってことも?」
スゥ「ありえなくは無いけど・・・その辺の雑誌に出てるような程度の一般常識は入力してあるから大丈夫でしょ。」
よしこ「早食い勝負してみたいな〜。」
たまえ(大丈夫かな・・・スゥちゃんの一般常識って普通の人と食い違ってるから・・・)
スゥ「・・・なんか言った?」
子供「あれー?こんなとこに人が倒れて・・・あ!だめだよクロ、近づいちゃあ。」
犬「くぅ〜ん」
ぱふぇ『状況確認・・・エネルギー残量5%。原因推測:フライングユニット使用過多。至急エネルギー補充の必要あり。』
子供「・・・なんか言ってる・・・?」
ぱふぇ『近辺に生体反応あり。確認・・・人間x1、犬x1。音声認識・・・該当なし。』
犬「ぐるるるるるる・・・」
子供「い、行こう、クロ・・・」
ぱふぇ『犬・・・データーベース確認・・・犬:生物→ナマモノ→食料→エネルギー補充可能。』
がーーーー・・・がちゃ!がきっ!

ぱふぇ『アーム展開。捕獲開始。』
子供「ななな、なんだぁ?」
犬「ウゥウウウウ・・・」
犬「ワン!ワンワンワン!」

うぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!がっ!

犬「キャン!キャゥゥン!」
子供「わあぁぁ!ク、クロ〜!誰か!誰か助けてぇぇ!」
ぱふぇ『捕獲工程完了。確認・・・犬x1。』
犬「キュゥゥン・・・」
ぱふぇ『調理開始。』
ぱふぇ『調理・・・データーベースアクセス・・・調理対象:犬・・・レシピ該当なし。』
犬「キュン・・・クゥン・・・」
ぱふぇ『レシピなし。調理不可・・・捕獲継続→アームエネルギー消費:毎分1%・・・不許可。』
うぃぃぃぃぃぃん・・・
ぱふぇ『アーム開放。収納。』
犬「クゥゥゥゥン・・・」
ぱふぇ『状況確認・・・周囲に犬x1・・・音声解析結果:動揺あり・・・対処法検索・・・該当:なでる』
犬「きゃん!きゃんきゃんきゃん・・・」
ぱふぇ『犬x1、近辺より離脱・・・追跡→エネルギー残量不足・・・不許可。』
ぱふぇ『状況確認・・・エネルギー残量3.56%。予備なし。行動限界まで約35分。対処方法構築中・・・』

うぃぃぃぃ・・・

ぱふぇ『対処:マスターの元へ・・・ナビゲーションシステムアクセス。場所検索中・・・』
よしこ「見つからないねー。」
たまえ「ねえ、どこに居るかまだ分からないの?」
スゥ「一応ナビゲートによると、すぐ近くに居るはずなんだけど・・・。」
たまえ「・・・当てになるの?」
スゥ「理論上は。」
たまえ「何よ、それ。」
スゥ「仕方ないでしょ。初めて使うんだから・・・と?」
子供「うわぁぁぁん!助けてー。クロが・・・クロが食べられちゃうよー!」
よしこ「クロ?」
たまえ「犬かなんかじゃない?」
スゥ「じゃあ大丈夫だ。レシピに入ってないから。」
たまえ「・・・そういう問題?」
犬「きゃぅぅぅん・・・きゃぅぅ・・・」
スゥ「・・・ほら、大丈夫だった。」
たまえ「て、ぱふぇちゃんの仕業だって根拠は?」
スゥ「いや、さすがに今この近所で他に犬食いそうな奴知らんし。」
よしこ「犬っておいしいの?」
スゥ「さぁ〜・・・」
たまえ「食べたこと無いからなあ・・・」
ぱふぇ『猫捕獲・・・レシピ検索・・・レシピなし。』
猫「にぁ〜」
ぱふぇ『エネルギー取得不可・・・開放・・・離れない・・・。』
猫「ゴロゴロゴロ・・・」
ぱふぇ『対処法検索・・・該当なし・・・エラー・・・感情該当:困った。』
よしこ&スゥ&たまえ「あ!居たぁ!」
ぱふぇ『人間x3感知。音声確認・・・照合:該当あり。マスター。よしこ。たまえ。』
よしこ「探したんだよ?ぱふぇちゃん。」
ぱふぇ『パフェちゃん・・・音声解析・・・該当予測:パフェ製作・・・材料なし。製作不可能。』
スゥ「あ〜。名前登録してないから混乱してるわ、こいつ。」
たまえ「変更できないの?」
スゥ「出来るけどとりあえずは・・・SU-04、状況教えて。」
ぱふぇ『SU-04状況:機関部損傷なし。エネルギー残量2.1%。現在セーフモードにて稼動中。行動限界まで約65分。』
スゥ「ヤバい状況ね。その辺で食べ物調達して帰りましょ。」
たまえ「あ。私にも。」
よしこ「ぼく、パフェでいいからね。」
スゥ「お前ら・・・」
ぱふぇ『パフェ製作不可。』
スゥ「あんたもいいから。」




スゥ(そう言えばこいつ、いつの間に喋れるようにしたんだっけ?・・・そんな機構、作った覚えないんだけどなあ)




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