第35話 − 「おかしな転入生」
よしこ
たまえ
スゥ
よしこ
スゥ
よしこ
スゥ
たまえ
「学校、始まっちゃったね・・・。」
「みんなちゃんと制服着てきたね。」
「さすがに目立ったな、私服は。」
「それにしてももう中学3年生。受験の年だよ。」
「まあうちは小学からの一貫校だから、進級テストみたいなもんだけどね。」
「・・・それがすでに難問なんだよ、ボクらにとっては。」
「それはちゃんと勉強してないから・・・あれ?」
「どうした?」
スゥ
芽亜
よしこ
芽亜
たまえ
よしこ
たまえ
「君、見かけない顔だけど新入生?」
「アタシ、芽亜(めあ)。」
「どうしたの?きょろきょろして。迷ったの?」
「大丈夫。あなた方が付いてますから!」
「・・・変な子。」
「て、道案内すること確定済みなの?!」
「いいじゃん、人助けだよ。」
芽亜
スゥ
芽亜
たまえ
芽亜
スゥ
「実は編入してきたんです。」
「なるほど。で、どこの教室なの?探してるのは。」
「アタシのクラスは、あの幻のIII-2なんです。」
「ああ。それならワタシらと一緒だ・・・て、『幻の』?」
「ぜひ一緒に探しましょう!」
「いや、知ってるっての・・・」
芽亜
スゥ
芽亜
よしこ
芽亜
よしこ
スゥ
たまえ
芽亜
よしこ
「ところで、折り入って大事なご相談が。」
「いきなり何?」
「実はこう見えてもアタシ・・・」
「こう見えても?」
「教室が分からないんです!」
「・・・ね、ねえ。今までボクら、なんの会話してたんだっけ?」
「くじけるなよしこ。気をしっかり持て。」
「同じクラスだから、一緒について来なって。」
「ということは、教室は実在していたのですね?!」
「・・・・・・。」
よしこ
スゥ
たまえ
よしこ
スゥ
たまえ
よしこ
たまえ
芽亜
「・・・あの子、大丈夫なのかな?」
「まあ、なんか変だけどさ。」
「でもさ、クラスメイトだよ?」
「友達は選ばないと。」
「とは言っても、変なのならずっと一緒だったし。なあ。たまえ?」
「うん。そうだね、スゥちゃん。」
「うんうん♪・・・ってあたしが変な奴って遠回しに言ってない?」
「自覚がないって、幸せだよね。」
「そうそう。もう一つ言い忘れてました!」
たまえ
芽亜
スゥ
芽亜
スゥ
芽亜
よしこ
たまえ
芽亜
よしこ
「今度は何?」
「実はアタシ、カレーが作れません。」
「・・・えらい唐突だな。」
「なので、この一年でなんとしても会得します。」
「そぉ。頑張ってね。」
「はい!・・・ところでアタシの教室知りませんか?」
「やっぱ変だよ、この子。」
「まあそう言うな・・・。」
「絶対今日中に教室にたどり着かないと!!」
「・・・そこの突き当たりを曲がったとこなんだけどね、教室は。」





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