第52話 − 「生命の神秘・・・?」
芽亜
ぱふぇ
芽亜


スゥ



スゥ
「オッケー。」
「・・・芽亜ちゃん、本当に扱えてるんですか?それ。」
「だいじょーぶ!」

「芽亜ちゃん、無事に帰って来られて良かったですわ。」
「頑丈な代物だよ、アレ。
 でも良くごまかせたね、あの惨状を。」
「宇宙ゴミの落下ってことで、誤魔化すのは簡単でしたわよ?
 嘘吐いているわけでもないですし。」
「まあそうだけど・・・で、もう一度聞くね・・・」
スゥ


スゥ


スゥ

スゥ

「芽亜が言うには火星で拾ったそうだけど・・・本当に間違いない?」
「間違いありませんわ!行方不明から12年、随分成長してますが。
 ほら。あの形状・・・」
「いや、形状言われてもあたし知らないし。」
「12年前、宇宙観光へ出掛けた際に離ればなれに・・・
 火星へ流れ着いて生き延びていたなんて、これこそ奇跡ですわ!」
「ま〜、奇跡っちゃ奇跡だろうけど・・・やっぱどう見てもアサリには・・・」
アサリじゃありません!オウムガイですわよ?!
「あ〜はいはい、オウムガイね・・・」
「間違えちゃダメですわっ!」
スゥ


スゥ

スゥ

芽亜
ぱふぇ
「そう言えばなんでペットにオウムガイなんか?
 そもそも深海生物でしょ?持ち運びなんて無理でしょ?」
「さあ?物心付いた頃から一緒でしたし。連れて歩くのも何の疑問も。」
「・・・そう。で、オウムガイがどう間違えばああなるわけ?」
「多分、漂流の旅で色々あったのですよ。」
「『色々』って言っても、さすがに限度ってものが・・・」

「芽亜ちゃん、これ本当に萌さんのペットだったんですか?」
「うん。この子がそう言ってた。」
スゥ

スゥ

スゥ

スゥ

スゥ
「あのでっかいコンテナみたいな物は?」
「貝殻の名残だと思います。」
「・・・ぱふぇが言うには、ミサイルだの銃器だのみっちりだそうだけど。」
「火星の環境を生き抜くためには、武器も必要でしたのよ。」
「じゃあ、あの、でっかいファンみたいなのは?」
「目ですわ!」
「・・・・・・。」
「きっと砂嵐が酷いんでシャッター式になったんですわ。」
「あり得ない。絶対あり得ない・・・。」
スゥ

スゥ


スゥ

スゥ
「んじゃ、どう見てもでっかい大砲にしか見えないのは?」
「前腕が変質したものに決まってますわよ!」
「ぱふぇに構造解析させたら、光学兵器にしか思えないそうなんだけど。」
「身を守るためですわ!
 よく言うでしょう?『攻撃は最大の防御』って。」
「いやあ、どう環境に順応すれば光学兵器みたいなもの獲得するわけ?」
「もう!ああいえばこういう・・・」
「逆ギレしないでよ・・・」
スゥ

スゥ

ぱふぇ
芽亜
ぱふぇ

スゥ
芽亜
「・・・で、なんか立ち上がっちゃったみたいだけど。」
「そりゃあ立って歩くくらいするでしょう?オウムガイなんですから。」
「オウムガイって・・・立って歩いたっけ?」

「そう言えばこの子、餌は何がいいんでしょう・・・」
「光合成出来るって〜。」
「ああ良かった。餌代掛かりませんね。」

「・・・もう一度聞くね。本当にあたしの知ってるオウムガイ?」
「スゥちゃんが知ってるも何も、オウムガイはオウムガイですわよ?」






オウムガイ『くらふてぃ』
過酷な火星の環境に対応するため重武装進化・・・?










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