第80話 − 「究極ペア?」



なな



「こんにちは。私、『なな』です。
 花の女子大生(3年生)で、見ての通り空手有段。
 ・・・はな?ああ。アレ、妹。
 姉妹ですもの、似ててと・う・ぜ・んよ。5才離れてますけど。」
なな




「あ。別に私たち、めんどくさいからって五十音順で名前付けられてたりしてませんから。
 誤解しないでくださいね?わかりました?
 ・・・とまあ、誰にともなく自己紹介はこのくらいにして。
 実は私、見た目とは裏腹に凄い方向音痴・・・
 『天は二物を与えず』とはよく言ったものだわ。」
なな



「それで今日は。はなの学校の先輩の家でお茶会に誘われているの。
 でも、案の定道に迷っちゃって。
 丁度通りかかった女子高生が『道を知ってる』って言うので道案内して貰っているのですけど。
 あれから3時間余り・・・何してるのかしら。」
芽亜
なな
芽亜
なな
「畳が敷けました。」
「・・・・・・現実逃避中?」
「粗茶ですが。」
「・・・え、お茶なんてどこにも・・・あ、ちょ、ちょっと・・・」
芽亜
なな
芽亜
なな
「・・・落ち着きますねえ。」
「は、はぁ・・・」
「和の心、大事です。」
「はあ・・・でもあの、こんなことしてる場合じゃ」
芽亜
なな
芽亜
なな
「て、こんなところで寝てる場合じゃないです。」
「あ、アナタが寝かせたんじゃないですか?!」
「うろついて道分からなくなってるんですよ?」
「わ、私のせいなんですかぁ?!」





ぱふぇ
スゥ

はな
スゥ
はな
スゥ
ぱふぇ
「・・・遅いですねえ。」
ごーいんぐまいうぇいな芽亜だしね。」
「はなちゃんのお姉さんも、遅いですわねえ。」
「また道迷ってどこかで遭難してるんですよ。きっと。」
「え?大丈夫なの?」
「ま、以前も山でイノシシとか仕留めて生き延びたことあるような人ですし。」
「ふつーの人間・・・だよね?お姉さんって。」
「う〜ん、芽亜ちゃんなかなか繋がらな・・・あ、芽亜ちゃ〜ん?」





なな

芽亜
「なんかあの子、いきなり立ち止まって独り言始めちゃいましたけど・・・
 ひょっとしてやっぱり、危ないコ・・・?」
「あ。はい。今・・・あ?はいです。わかったです〜。」
なな
芽亜
なな
芽亜
なな
「・・・一体どうなさっ」
「おかーさまからでした。」
「・・・ど、どうやって?」
「どうって、ただの電話ですが?」
「ああ、そう・・・」
芽亜
なな
芽亜
なな
芽亜
なな
芽亜
「お茶受けに、ココロちゃんとこでコロッケ買って来て欲しいそうです〜。」
「そ、そうですか・・・って!道聞いてくださいよ!迷ってるんですから!」
「緊急ですか?」
「緊急ですっ!」
「でもこれ緊急回線じゃ」
緊急なんですっ!
「・・・はい。」





ぱふぇ
スゥ
ぱふぇ
スゥ

はな
「・・・あ、芽亜ちゃん?コロッケ買えたんで・・・え?道に迷ってる?」
「あ〜、あたしが買いに行った方が早そうだな・・・」
「えーっと、今・・・ええ?ななさんって方も一緒?!」
「おいおい。」
「あらまあ・・・」
「なんか、禁断のペアがタッグ組んじゃったような気が・・・」





芽亜
なな
「はい・・・はいです・・・あ〜、分かりました!」
「・・・大丈夫?」
芽亜
なな
芽亜
なな 
「とりあえず、『迎えに行くからせめて国内までは帰って来なさい』との指示です。」
「そ、そうですか。ではガンバ・・・・・・・・・え?今なんて」
「じゃ〜行きましょう。」
「え?えぇえぇ・・・えええ?!
芽亜
なな
芽亜
なな
芽亜
なな 
「う〜ん、そうですねえ、あっちの方の気がします。」
「ちょ、ちょっと!私たちいつの間に国外まで?!」
「成せば成ります。」
「私たちの国って、そもそも島国でしょ?!いつの間に海を」
「心頭滅却です!」
「全っ然意味わかんなぁい!



・・・芽亜ですし。きっと海くらい(ぉ




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