第82話 − 「ゴーイング・マイ・ウェイ」



すみれ

すみれ
「結局口を割らなかったわね。」
「主人思いなんですねえ・・・。」
「まったく、妬けちゃうわ・・・」
すみれ

すみれ

「あ〜、でも、なんかスゥちゃん苛めてるみたいで、とても心が痛いわ。」
(でしたら、初めからやらなければよろしいのに・・・)
「なにか言いまして?」
「いえ何でもありませんわ。」
すみれ

すみれ


すみれ

「ふぅ・・・スゥちゃん、どこに行っちゃったのかしら・・・」
「何をそんなに慌てていらっしゃいますの?ママ。」
「もうすぐあの子の三者面談がありますの。
 それで、当日の服装合わせをしようと思いまして。」
「そうですか・・・」
「せっかく私が高校の時着てた制服が見つかりましたのに。」
「・・・え?それ、ママが昔着てた物なんですか?!」
すみれ

すみれ


すみれ

「そうよ。似合ってるでしょ?」
「えっ?!ええ・・・。」
「スゥちゃんにもサイズ合わせで新調しようと思いますのよ。」
「はあ・・・
 あの、ところでそのトロンボーン、まるで本物みたいに良く出来ておりますわねぇ〜。」
「ああ、これ?そりゃ楽器屋で売ってた物ですもの。本物ですわ。」
「・・・本物?」
すみれ

すみれ

すみれ

すみれ

「えらく安かったのよ〜。思わず買っちゃった♪」
「はあ・・・あの、ちなみにおいくらで・・・」
たったの70!安いでしょ〜?」
「なっ、ななじゅう?!70万もしたんですか!それ?!
「前に220で買ったバイオリンから比べれば、安い安い!」
「・・・それで、そこまでしての意味は?なんかテーマでもあるとか?!」
「すうぃんぐがーる。」
「・・・・・・ワタクシには判りかねます・・・」

すみれ


すみれ


すみれ

「それであの・・・ママ、楽器扱えましたっけ?」
「あら?やぁねぇ、この子ったら。
 コンピュータ制御もされていないのに、楽器なんか弾けるわけないでしょ?!」
「・・・半分でよろしいですから、その購入資金をこちらに回して頂けませんか?」
「あれだけあげて、まだ足りないの?しょうがないわね〜・・・
 ところで、うぃるはまだかしら?」
「もうそろそろ戻ってくると思いますけど。ぱふぇちゃんを介護してるのでしょうか・・・」
「それにしても長いわね〜これ。あっちこっちぶつかっちゃうわ!」
「・・・・・・。」





うぃる

ぱふぇ
「あ〜疲れた。良くもまあ転送した全4892テラバイト・・・。
 お〜い、ぱふぇ。生きてるか〜?」
「・・・・・・・・・・・・。」
うぃる
ぱふぇ
うぃる

 
「・・・おーい?ぱふぇ〜?」
「・・・・・・か」
「か?」

めきょっ
ぱふぇ
うぃる

ぱふぇ

「うぃるのバカ〜!」
「って・・・ててて・・・
 なんだよ!ちゃんと芝居で疑似データ流したじゃないかよ?!」
「データが芝居でも!
 あ〜んな気持ち悪いファイル名連呼されたら意味ないでしょ!」
うぃる

ぱふぇ
うぃる

ぱふぇ
「・・・あんな気持ち悪い、というと。
 『ワモンゴキブリの巣』とか『クロゴキブリ解剖図』とか」
「いやああああ?!言うんじゃないわよ!!」
「・・・・・・分かったよ。しょうがねーなー。
 言っとくが、これで一つ貸しだかんな?」
「何言ってるのよっ!ほとんどプラマイゼロでしょ?!」
うぃる
ぱふぇ
うぃる
ぱふぇ

うぃる
「だってな〜。母上騙すなんて、こっちの身だって危ういんだぞ?!」
「そ、そりゃ・・・分かったわよ。もうっ!」
「データ偽造して揃えるのだって大変だったんだからな?」
「まあそうでしょうねえ、8296083個ですっけ・・・
 ファイル名もあれだけエグいのを良く重複なく付けましたわね?」
「ま、こんな事でもないとお前に憂さ晴らし出来ねーしな。ハハハハハ。」
ぱふぇ
うぃる
ぱふぇ
うぃる
ぱふぇ

うぃる
「なんかいまのうちにデータデリートしておいた方が良いような気がします。」
「まっ待てっ!デリートの仕方が違う!」
「ん〜・・・」
「ぶっ壊して記憶の消去って、消しちゃまずいデータまで消え」
「ん〜。でもこのやり方が一番楽ですし〜。
 それに、消しておかないとワタシが後で苦労しますし〜。」
「わちょちょちょ!だからって握り潰すのはさすがに・・・」





たまえ
スゥ
たまえ
スゥ

よしこ
芽亜
よしこ
芽亜
よしこ
「で?いつまであんたをかくまってれば良いわけ?」
「・・・ぱふぇが迎えに来るまで。」
「つまり、いつまで?」
「・・・さ〜?」

「芽亜ちゃん!ボール食べちゃダメ!!」
「んくんく・・・」
「出して!お腹壊すよ?!」
「ん〜・・・まったりとしてコクっぽく、それでいてだら〜んと」
「意味分かんないよっ!なに?だら〜んとって?!」







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